『文体練習』 レーモン クノー

『文体練習』 レーモン クノー
 面白かったし、なんというか癒されもしたが、内容としては文学的な意味での「文体」と言うよりもただ文章の型のバリエーションを追っている感じで、半分くらいは純然たる言葉遊びの文例でしかない。語彙選択や語順、あるいは物語の展開の仕方にまつわる作文術の秘蹟の伝授を期待すると肩透かしの感もあろうかと思う。
 しかし当たり前のことを敢えてつぶさに再確認してゆくことで得られる安寧の感覚というものもあろうが、この本の読後感にもその種の心地よさを認めることが出来ると思う。

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