2009年9月アーカイブ

 政権与党となった我が国の民主党政策集に明記されているから当たり前といえば当たり前なのだが、日本版FCCの設立に向け政府が本当に動き始めるようだ。最後の護送船団とも言われる放送業界だが、その土台をなすのが電波帯域割り当てを巡る許認可制だ。正直、本当にすんなり「自由化」されるとは信じがたい。利権としては社会の表から裏まで相当以上の規模と内容を持つはず。利権を運ぶパイプを民主党好みのルートに張り替えるような作業に実際はなるのかもしれないが、その場合衆人環視の世の中でよほど巧妙にやらないととも思うが...。無論疑ってばかりでも仕方ないけれど、どうなっていくものか、今後できる範囲でこのテーマは追っていきたい。

米FCCと意見交換へ=地デジ普及でペルーも訪問-原口総務相(時事通信)

 原口一博総務相が20日から約1週間の日程で、米国と南米ペルーを訪問することが17日明らかになった。米国では通信・放送の独立規制機関「連邦通信委員会」(FCC)幹部ら情報通信関係者と意見交換する方向で調整している。同相は同日の会見で、日本版FCCの設立に前向きな姿勢を示しており、視察や意見交換の結果を構想の実現に生かす方針だ。
 米国に先立って訪問するペルーでは、首都リマ市で21日に開かれる地上デジタル放送(地デジ)に関する会合に出席する。同会合は、地デジ規格で日本方式を採用した南米4カ国の大統領や閣僚クラスが参加し、デジタルテレビの普及計画などを話し合う。(2009/09/17-21:35)


 アメリカFCCの最新の動向に関するニュースが何かないかと思って捜していたら、17日のWSJのものがあったので以下にざっと拙訳してみた。FCCがどんなものか少し雰囲気を知るといった参考程度で。ネットに関してもFCCが統括しているようだが日本の場合これはどうなるだろう。あとFCCはほとんど国家行政の一部か出先機関のような組織であることが伝わってくる。帯域を喰うコンテンツだからといって接続業者がそれを勝手に取捨選択してもいいのかみたいなことが前段の論点で、後段はブロードバンドに対する補助金制度改正に関するものだ。

民主党、FCCに「ネットの中立」を推進するよう命じる(WSJ)

 長老下院民主党議員は木曜に連邦通信委員会(FCC)に対して、共和党や幾つかの電気通信系の大会社からの反対を払いのけ、インターネット・プロバイダーがコンテンツ・プロバイダーを依怙贔屓するのを止めさせるために更なる善処をすべきと命じた。
 カリフォルニア選出のヘンリー・ワックスマン民主党議員は、下院エネルギー及び商業対策委員会の議長なのだが、木曜の公聴会で、マサチューセッツ選出エドワード・マーキーとカリフォルニア選出アンナ・エショー両民主党議員によって発表された「ネットの中立」法案を全力で後押しをするつもりだと述べた。法案はウェブ上の合法コンテンツをインターネットサービスプロバイダーが遮断したり優先したりすることを抑制しようというものだ。
 全てのインターネットアプリケーションとサービスが一様に扱われるよう要求する規則を推進することは、オバマ氏を大統領選キャンペーン中に応援した支持グループにとっては最優先なのである。しかし大型のケーブル及び電気通信プロバイダ(AT&Tやベライゾン・コミュニケーションズ、コムキャストのような)はそのような規則には反対している。彼らは、ネットワークのトラフィックを管理するために柔軟性を持つべきであり、帯域を大喰らいしサービスを遅める(ビデオストリーミングのような)アプリケーションを制限すべきだと言っている。
 共和党議員は彼らがネットの中立の立法化と戦うつもりであると述べた。「私は、実際に何とかしなければならない事例が存在しないような規則を増やす取り組みの議論に非常にうんざりしている。」とテネシー選出のマーシャ・ブラックバーン共和党議員は言う。
 連邦政府は、コムキャストがある高帯域ビデオアプリケーションを抑圧した去年のFCCの引用判例を、裁判所が再吟味していると主張する。FCCはその習慣はインターネットの原則に違反していると述べているが、反対派は委員会がそのような懲罰を課す職権を持たないと言っている。業界関係者は、裁判所が裁定するまでは政府の行動はネットの中立に関しては殆ど現れないだろうと言う。
 その同じ公聴会で、FCC議長のユリウス・ジェナコブスキーは、農村地域において現時点で電話回線にのみ使われている補助金が援助を得るインターネット接続にも使えるようにするため、ユニバーサルサービス基金プログラムに対する修正の法律制定を支持すると述べた。
 ジェナコブスキー氏は、現時点で電話回線に使われているUSF補助金もまたインターネット接続に適用されるべきだと述べた。「我々はまさにUSFをブロードバンドを後押しするプログラムへと動かすことを必要としているのだ。私はそれが簡単だったらいいと思うし、我々が削減を閃かせ移譲できたらいいと思う。」と彼は言い、FCCは援助基金の総点検に対する委員会での取り組みを支持するだろうと付け加えた。(SEPTEMBER 17, 2009, 1:58 P.M. E)

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090905.jpg 選挙が終わり、近々新たに総理大臣となることになった民主党代表の鳩山由紀夫氏だが、その夫人が、自分はUFOに誘拐されたとか、アメリカの有名俳優に前世で遭ったとか、金星に行ったとか、奇妙な発言をこれまで多々行ってきたとして、英米から発展して世界のメディアがこれを取り上げ彼女を笑いものにしているようだ(123)。私は、統合失調症かそれに類縁する精神疾患(妄想性障害やその他精神病性障害)をまず想像したが、他人によると、サイエントロジーとかいうカルトの信者で(個人の病性よりそちらの教義が優勢で)あるとか、覚醒剤などドーパミンに作用するような薬物を摂取している等々と憶測することもできるようだ。内外メディアは笑いものにしているだけで特に深い情報はなく、より詳細な分類特定は無理な感じだ。
 ネットコミュニティ界隈を見て回っていたら「夫人が仮に病気だとしても、このような異常者を外に出すこと自体が恥」と強く主張している人が幾らかいて印象的だった。それで思い出し貼ってみた右の画像は、1964年に起きた分裂病(現在の統合失調症)入院歴のある19歳少年によるライシャワー駐日アメリカ大使の刺傷事件の直後に、朝日新聞に掲載された風刺漫画である。この時、すべての精神病者を潜在的犯罪者と見なすような意見が、にわかに世間で一定の勢力を持つこととなり、精神衛生法の行き過ぎとも思える厳格化が議会で盛んに論議されたのだが、結局、患者の人権への顧慮等もあり当該法改正は戦前制度への退行だとして見送られた。アメリカ側の態度が意外に硬くないことが知れたことが見送りに寄与したかもしれない、と言うか、実のところそれが最も強い要因だったかもしれないとも思う。
 英米に次期首相夫人を笑われて恥じ入り罵って見せる今の日本人が、ライシャワー事件の報復に恐怖してすべての精神病者を潜在的犯罪者と見なそうとした一世代前の日本人と、何らの成長も変化もなくつながっているような気がしないでもない。

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