2012年3月アーカイブ

 先週20日頃に、Windows Live Essentials 2011 にわりと大掛かりなアップデートがあったようで(Build 15.4.3555.0308になった)、今日試しに入れてみたのだが、Windows Live Mailで作成するメール内に全角の「-」や「~」を書き込むと文字コードが強制的にUTF-8に変更されてしまうバグが、いまだ直っていないようだった。この変則的なUTF-8コードに対応していないメーラーは世の中少なくないようで、私自身も送信先から文字化けで読めないと言われたことがあり、調べると「~」記号が原因で文字コードが強制変更されていることが判明したりした。当該バグに関するWikipediaの記述などについても今なお書き直されたりはしてはいない。
 さらに、ごく最近Windows Live Essentials のサポートが「Windows Live Solution Center」から「Microsoft Answers」に移行したみたいで、以前にあったサポートフォーラム内の該当トピック『「-」(減算記号)を含むメールを送信するとcharset="utf-8"になってしまう』が消失しているようだ。最も閲覧数の多いトピックであり、この問題を認識している旨のマイクロソフト側からの公式回答も含まれていたはずなのだが。
 仕方がないので、今回もアンインストールし元の2009版に戻すことと相成った。

※これとは別の問題だが、2009版では「元に戻す(undo)」の挙動がおかしいか利かない。

追記(2012年8月15日):
 2012年8月7日頃にWindows Essentials 2012がリリースされていたようで、今朝インストールしてみたのだけれど、またしても本バグが修正されていないことを確認した。以前からのWikipediaの該当記事でも改善された等の表記は見いだせない。今回のはwindows8の登場に併せたリリースのようなので、なかなか面倒な事になりそうな予感もする。

追記2(2012年8月28日):
 Microsoft Answersに該当スレッドが投稿されているのを発見。
windows live mail の文字化けは修正されたのでしょうか。
Windows Liveメールで送信した文章が文字化けして困っています。
Windows Live メール 2011 で受信したメールを印刷すると文字化けする
 この問題についてあまり良く分かっていない感じのコミュニティスターさんやらのぼやけた回答が延々続いていると思ったら、昨日の日付でフォーラムモデレーターなる人が登場して、担当部署に「再度」報告するとのこと。問題の発生からそろそろ丸2年になろうとしているが...。

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・『狂気と正気のさじ加減―これでいいのか精神科医療』シドニー・ウォーカー

 どちらかというと神経医学畑と思われる著者が、精神疾患あるいは今やその診断の聖典と化している嫌いもあるDSMの「虚構性」を暴く目的で、精神科における誤診の実例をかなり多く紹介している。脳腫瘍、内耳異常、チフス、カルシウム欠乏あるいは鉄分欠乏に、蟯虫、梅毒、向精神薬そのものの副作用、一酸化炭素中毒や鉛中毒、甲状腺障害に副腎皮質障害など、一旦は鬱病や統合失調症やADHDや様々な人格障害と診断された人々の、真の(生理学的)病巣が探り当てられる過程が、ある意味劇的に解説されている。
 しかし、どれだけ誤診の例を挙げても、すべての精神疾患が必ず別の何らかの生理学的な病理の表現に過ぎない、と言うことはできるはずもない。ヒポコンデリーが、実は何らかの未発見の疾患であるかもしれないと長々ほのめかす態度なども、かなり誠実ではない。ネガティヴな親子関係が精神の病理に結びつかないなどの主張でも、いくつかの個別の調査を傍証として出しているに過ぎないが、ホスピタリズムや家族・双子研究など環境因に関する決定的な調査は幾らでもあるのに、それらにまったく触れないのも同様であろう。
 フロイトが創設した精神療法が仮説の体系であり、厳しく言えば無根拠であることは、別段新しい認識でも特権的な理解でもない。自然科学によっては精神疾患そのものの物質的説明ができていない以上、症状に対して手探りでノウハウを蓄積するしかなく、種々の理論がそれらを仮説的に解釈し体系化したものでしかないということは、おそらくは衆知のきわめて凡庸な認識である。
 本書を通読して推し量られる著者の立場は、煎じ詰めれば、厳密な科学として無根拠だから「心の病は存在しえない(に違いない)」というロジックの上にあるのであろう。しかし、そのような限定はそれ自体がみっともない現実逃避である。反精神医学には、レインの実存主義からサズ等の自由主義へ流れるイデオロギー系譜があるようだ。本書にも、自由主義の悪い面と言うべきか、特有の器量の小ささや視野の狭さが端々に見て取られるようで、多少印象深かった。

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