ぼくらはわかりあえない

 新年は(風邪で)寝正月っぽい。
 ずっと風邪を引いていたこの半年だったが、まだ続いている。一旦治るのだが、すぐにまた引くの繰り返し。体力自体が低下しているのだ。

 私の'Noli me tangere'のイメージは西洋絵画で見かけるもので、近寄ろうとするマグダラのマリアに対する警告だと思い込んでいたのだが、文章だけだとすでに触れ追いすがったあととも読めるみたいで、さっき前回エントリー修正していた。しかも英語版Wikipediaを観ると、『すがるな』的な訳のほうがオリジナルのギリシャ語表現に近いらしい。私の持っている新約聖書はギリシャ語底本なのだが英語訳は'Do not cling to me'で、日本語訳のほうは「わたしにさわってはいけない」になっている。ニュアンスと解釈の問題なので妙に決め付けないほうがよかった。

 私は今年に限らずコミュニケーションの幻想性や不可能性みたいなことが個人的なテーマのひとつなのだが、セシュエーを再読了したあと、年末年始のために選んだ本はクリプキだった。どの程度理解できるか自信がないが、いわゆる「私的言語」と偏った人格による理解困難なロジックや病的な妄想との関係が糧になりそうな気がしている。
 読書体験で何かよい化学変化が起きればいいのだが、風邪気味のぼんやりした頭でどの程度戦えるか。

 慰安婦問題で日韓政府で一定の合意があったみたいだけど、なんかかなり危ういことをしたのではないかと怖れている。これは、併合時代に起こったことに最終的な総括を与えていたはずの日韓基本条約を、日本側から覆したことにはならないだろうか?
 来年の2016年は在韓米軍の撤退が本格化するとも言われ、経済面でもTPPではなくAIIBを選んだ韓国とアメリカとの距離はこれからじりじり離れてゆくのかもしれない。もしここで慰安婦問題に決着がつけられなければ、アメリカの威光が弱る東アジアで、国際紛争の火種として本格的に作用し始める可能性もなくもないような気はする。今回アメリカから安倍政権に対しどの程度の「指導」があったのかは不明だが、世界のパワーバランスがゆっくり変わろうとしていることのひとつの表れかもしれない。
 あとヒラリー・クリントンが次期米国大統領になることはおそらくほとんど既定であり、過去にこの問題で慰安婦を「性奴隷」と表現したとも伝えられる彼女なので、日本側として事前に詰め腹を切って彼女にいい顔をしておきたいという思惑もあったかなかったか。
 しかしその上で、今後一筋縄では行きそうもない雰囲気が漂っている。朴槿恵は国内を抑えようとするかもしれないが、「不可逆的」な韓国民の意志が次の韓国大統領に急進性を求めるかもしれない。

 今年の年越しそばのトッピングはてんぷらにするつもりである。親が毎年末送ってくるニシンは今回もあるのだが、あえて変化を求めた。
 だが、食欲があんまりない。

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