総務省が折々に発表している地デジ普及率の数値は奇妙(元となる計算式も資料上に発見出来ない)で信用ならないが、それでも一応の目安とすると、京都府は地デジ受信機世帯普及率が全国ワースト10に入るような低さであるようだ。その主たる原因として、京都市域への既存のUHF中継局である比叡山から受信できる地デジ電波がNHK総合とKBS京都分しかなく、あとの民放各局・NHK教育分については大阪の生駒山から受信しなければならないところの、環境の特殊性が指摘されていた。これまで京都市在住者が十全に地デジ放送を見るためには、まずUHFアンテナを別方向に二本立て、双方の信号を混合器で一つに統合した上で、(生駒山からの電波が弱い場合があるので)ブースターをかまして、受像機等につなげなければならなかった。
なんの気なしに地デジ専用テレビに買い換えてしまうと、そのままでは比叡山からの二局の放送だけしか見られない状態に陥ってしまうということなのであり、不満ならば事後的に上記によるアンテナ増設以下の工事をやらねばならない。分かっていて買い換える場合はそれでいいが、状況にまだ流動的な面があり、アナログテレビのままなら全局普通に受信できる段階であるのに、こんな逆行的あるいは乱雑な作業を京都市域のどれだけの世帯が実行していたか極めて疑わしい。
今次、比叡山中継局から全てのTV地上波が一括的に送信されることになるわけだが、上述の不具合が一挙に解消されるものと思われる。「真の」地デジ普及率は謎なのだとしても、これで他に追いつく方向に京都の普及率が向かうことはほぼ確実だろうと思われる。
ところで、私の住んでいるマンションはちょうど比叡山方向に電波障害をきたす構造物があり、もともとUHFが綺麗に映らない。しかもマンション内各戸に配置されたアンテナ端子が地デジ非対応の古い平行フィーダ型なのである。これから一年のうちに大家の方でアンテナ端子その他の工事をするかについてはまだよく分からない。F型⇔300Ω整合器を利用する簡便なフォーマット変換方法がネット上に紹介されていた。しかし、件同様の整合器の説明書では、アンテナ端子側をF型として接続するようになっているのだが、ホントに受像機器側をF型として取り付けても大丈夫なのだろうか?
比叡山地デジ中継、24日開始
京・乙訓地域 難視聴解消へ総務省近畿総合通信局は9日、比叡山(京都市左京区)に設ける地上デジタル放送(地デジ)用の新しい京都中継局が24日に開局すると発表した。京都市内(山科区、伏見区醍醐地区などを除く)や乙訓地域で民放などが一気に受信しやすくなると期待される。
新中継局は毎日放送と朝日放送、関西テレビ、読売テレビ、NHK教育の地デジを送信する。従来、この5局を受信するには、UHFアンテナを生駒山(大阪府)に向けなければならなかった。
対象地域では、これまでNHK京都総合とKBS京都の受信のため、比叡山向けにUHFアンテナを設置している場合が多く、現状のままで他局も受信できるとみられる。テレビ大阪は大阪府域であるとして送信しない。
電波の出力は開局当初弱めで、秋までには最大出力となる。開局に先立ち12日以降、試験放送が始まる。また開局当日は、午前10時から中京区の京都国際マンガミュージアムでPRイベントを開く。
稲田修一局長は「比叡山に中継局ができることで京都の難視聴がかなり解消される。完全移行まで残り1年。対策への理解を求めていきたい」と話した。【 2010年07月09日 23時10分 】
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