日本のバレエ団がスヴェトラーナ・ザハロワをプリンシパルに呼んだなにかの舞台のDVDで、ザハロワ以外のバレリーナは全員日本人だったのだが、観るのが途中で辛くなったことがあった。彼らはほとんど別の生き物だった。ザハロワの周りで手脚の短い別の生き物が終始じたばたしているような感じだった。
また、ザハロワの熱烈なファンなのか、観客のひとりの男性が、彼女が見せ場でポーズやターンを決めるたびに、異様な熱意をもってブラボーを叫ぶのもきつかった。単に彼の声量が突出していたというだけでなく、一貫して非常に個人的に興奮されていた。
それ以外の観客はおとなしかったのだけれど、むしろほとんど緊張しているというか取って付けたような反応。
それで「日本人にはバレエは合わない」などと誰だかに軽はずみに断言した記憶がある。やや言い過ぎだったと今では思うが(いちおう日本人でも国際的に活躍している人はいるようなので)、しかしある絶対的な限界を示している気がしたことは確かだった。
今月1日に行われたローザンヌ国際バレエコンクールで日本の高校生が1位と2位を独占した直後なのにあれだが、ニュースを見て少し複雑な気持ちになったので。
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