TURNING POINT

http://elections.huffingtonpost.com/2016/results/president

 2016米国大統領選挙は、私の予想とは違う結果に終わりそうだ。
 お昼ころフロリダとオハイオの趨勢が決まった時に『トランプになるっぽい』との短いエントリーを一旦上げたのだが、その後気が早いと思い直し削除した。夜になって今現在開票が終わっていない州がまだいくつかあり接戦のミシガン州を仮に奇跡的にヒラリーが取ったとしても選挙人の数では到底足りないので、その他よほどの(再集計とか!)例外的状況が起きないかぎり、もうトランプに決まった状況と言っていいだろうと思う。
 私はどこかイギリスのEU離脱投票(BREXIT) の反面教師としての教育効果というようなことを見込んでいた面があったのだが、結果はまったく逆で、むしろ今回「彼ら側」が盛大に意思表示をしたのではないかと思う。

 国民経済優先(反グローバリズム)。それはそうなのかもしれない。さらなる自由主義的な経済が一般国民に恩恵をもたらしそうな感じはまずしない。自由化で資本家は儲かるだろうがそう安々とトリクルダウンしないことはもはや自明だ。ウオルマート従業員の薄給とかひどいらしい。しかし、トランプは『アメリカを再び偉大な国にする』ための現実的な代替案を示しているとは思えない。彼は夢を語っていたに過ぎず、現実には彼の空想のほとんどは実行できない。これまでのアメリカ的理想やグローバリズムに限界を感じているからといって、今更ノスタルジーのような素朴な古き良き国民経済に戻ることができるわけでもない。だとすれば、アメリカ国民はいったい何を選択したのか。

 温度差があるだけで要はトランプ下げ一色と言ってよかったマスコミがそれ故ほとんど全体として大恥掻いて負けた格好で、マスコミが人々の意思決定を左右できる時代がさらに一歩遠のいていたことが露呈したとも言えるのかもしれない。この辺りも私が捉えられてなかった。ネットとマスコミの間で一定の折り合いみたいなものがついてきつつあるのかと思っていた面があったが、事態は依然進行中のようだ。

 東アジアの米軍が撤退するとこの一帯が不安定化するに決まってるが、そのような状況で軍事的独立含め日本がスムーズに立ちまわることができるとは到底思えない。トランプがどこまで本気かわからないが、アメリカ軍や議会から激しい抵抗が起こるに違いないので、日本としてはむしろそれ頼みかも知れない。

 あれだけ俗なスキャンダルの多いトランプなので、ヒラリー大統領への交代で慰安婦問題を蒸し返そうと思っていたかもしれない韓国は、かなり動きにくくなるのではないかと思う。議員選挙の方でマイク・ホンダ氏も落選したらしいし、日本の市民右翼的な人たちはなかなか騒ぐネタが少なくなるかもしれない。

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