2014年6月アーカイブ

 このところ、多少なりとも英語力が上がってきたんじゃないかとうぬぼれていたのだが、コフートの難解文章で一気に打ちのめされている。しかし内容については裏腹にひどく面白くなってきてしまった。「The Restoration of the Self」、長いことうっちゃっていたのが惜しいが、しかしなんとかあのめんどうな文体解読のコツをつかまないと、今のままでは読む速度がのろすぎてストレスが募る。いまさら邦訳買うのもなぁ...。
 紹介される各症例も興味深いのだが、本書ではいわゆるフロイト派の学者を念頭におきコフートが個別的に異議申し立てしていて、そこそこ戦意に満ちてもいる。

 コフート自身はもうとっくの昔に亡くなっているのだが、ライバルといわれたカーンバーグの方は高齢だが一応まだご存命のようだ。しかし彼ら以降のスターは今の時代にはいない。時代のスターを生み出していた各セクトの力が弱まっているということなのかもしれない。
 何か地殻変動のようなものが起きている気はする。
 「薬」の時代?
 しかし薬で治った人もあんまり見たことがない。

 昨日のエントリーでハイフン(‐)とダッシュ(―)を混同して書いていた。英語圏の辞書サイトで調べてみるとハイフンとダッシュ記号は全然別物であり本来どちらかがもう一方を含むような関係ではない。違和感が残っていたからなんとか勝手に気付いたけど、間抜けだった。

 BMI20.0。
 微妙なダイエットが効いたっぽく体調が上向き。

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 自己注釈的にすぎる文章って読みにくいわけだけど、ハインツ・コフートさん「The Restoration of the Self」の文章はかなり。いやぁ、パーレン、ダッシュ、カンマ、スラッシュ、コロンのオンパレードなのであります。私も多少なりとも自己注釈的な傾向があるような気がするわけだけど、しかし、この人ほどではないと思われる。
 なぜ文章が自己注釈的になってしまうのかについて考えないではないのだが、ひとつには考えながら書いているということがあると思う。事前に十分に考えてから小器用にまとめて書けと言われそうだが、事前に考えてその上さらに考えているのだと思いたい(!?)。もうひとつは、文章を簡潔に(!)しようとしているということがあると思う。まったく逆の結果になっているではないかと言われればそうなのだが、同時にそうでもないのである。もし噛み砕いて説明しだすと非常にくだくだしくなってしまう文章を自己注釈によって簡潔にしているということなのであって、要はこれでもまだましといいうことなのである(と思う)。
 釈然としないものが残ることは否定しないし、自己注釈的な文章が読みにくいことは依然そのとおりなのだが、ではどうするのがいいんだろうなぁ、しかし・・・。

 コフートはフェティシズムの原因を、幼時に母と祖母によって相当に過保護に育てられたUさんの症例をひいて、普通より過分に快を与えられたことそのものよりも非共感的にそうされたということのほうに問題の本質を見ながら説明している。つまり快も幼児の反応(や主体性)お構いなしに与えては倒錯を招くというコフートの見解である。
 確かにフェティシズムは無応答に与えられる快楽のようなものに違いなく、Uさんの育てられ方の偏りと型としてオーバーラップするような気はする。コフートもただUさんの事例のみに依拠して理論化してるわけではないとは思うわけだが、しかし読者としては一定の留保を必要とするところであるかもしれない。
 女性がペニスを持たないことが見ため的にあまりに恐怖なので身に着けているものとかをペニスの代替物とみなして愛着しようとする、というのが、フロイト的フェティシズムの説明だと思うが、コフートの説明と比較して格段に意味不明であることを確認したい(これではまるで女性にフェティシズムがない感じでもある)。 コフートがフロイトに反逆するのも無理はないのだが、さりとてコフート理論にハードな根拠があるわけではない。精神分析がどこまでも仮説の体系でしかないことは、それらしい説明に呑み込まれそうになったときに思い出すべき事実である。

 貨幣のフェティシズムにコフートの解釈をひきつけるとどうなるのだろう?ヒューマニティを捨象された記号への固着みたいなことなんだろうけど、確かに、無応答な快の提供者に貨幣は似ていなくもない。


追記(2014/06/21):
 「The Restoration of the Self」当該ページ画像あげてたんだけど、面倒なことになるのもいやなので削除した。文体が伝わらないと文脈上意味ないから引用の分量がやや多めになるのは合理的な理由があり仕方ないと思ったのだが、一般的な引用量と比較して、ちょっとやりすぎかもしれないとも思ったので自制することに。

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 私はネットのリストカット中継を二度だけ見てしまったことがある。前にも書いたが私はメンヘラの人の個人放送から意図して学ぼうとしていた時期があって、まぁそれならある意味もっと遭遇していてもおかしくないわけなのだが、私にはああいうのはとても苦痛でよく正視できないのである。それだけでうなされたり眠れなくなったりするとまでは行かないにしても、それに近いというか、少なくとも数日は気分が影響下にあることになるかもしれない。多少感じやすい傾向を自覚しているので、なんか対象者が荒れてそういう雰囲気になってくると私は早々に視聴をやめてしまう。しかしそれでも二回は見てしまったわけだが、今でも不快さでもてあますような記憶である。

 リストカットする人は自尊感情が低いとしばしば言われる。リストカットといえばBPD(!?)で、自尊感情が低いみたいな印象がなくはないが、むろん自尊感情の低さはまざまな起源と様態を持つものに違いない。
 BPDのような乳児期周辺をうまくクリアできなかったことが原因の一端だと思われているケース以外に、近親姦を含めるDVの被害者あるいはいじめを継続的に受けていたとか(トラウマ方面)、人生の選択に対する強い後悔を抱いてるとか(鬱方面)、自尊感情が低くなる様式はとても多様でそれがあるだけでこれだと言えることはまずないと思う。
 こういった人々でも、たとえば恋人などの理解者が現れて価値を肯定され自尊感情を(一時的に)持ち直すということは十分ありうることかもしれない。結婚とかしてその良好な依存関係がさらにずっと続くようならある意味問題が墓場まで持ち越されるような僥倖もありうるのかもしれないが(実際そんな平坦なわけないが)、仮に二人がいざわかれるとなった場合に、それまで普通の恋人関係にはない過剰な役割が担わされていた分、本来の状態が復元されるにあたって強い苦痛および不安が生じ、それにさらに破局自体がもたらす自己否定感情が追い打ちをかけるということになったりするのかもしれない。
 自尊感情の低い人が破局に際して激しい行動に出やすいのは上記のような依存の過剰部分が揺り戻しのように作用するからではないか。夢から覚めた落差が受忍限度を超えるのであろうか。

 自尊感情を高めるという場合に、成功体験を重ねよというアドバイスがよくあるが、これは多分BPDのように深いところに問題が根ざしているような人々にはあんまり効かないのかもしれない。また、実際「社会的」に成功体験を重ねられる人というのは特別な少数者でしかない。これはパンをケーキで代用するロジックに似ているし、それができたとして脆いバランスの上に成り立つ均衡でしかないだろう。
 自尊感情を他者との比較においてことさらに高めようとするのではなく(したければしてもいいいが)、何気ない普段の自分において或る静かな自尊感情を発見するような方向性のほうが有効なのではないかと思われる。「自分には価値がある」とむやみに念じ唱えるのではなく、普段のかなりリラックスした状態で「自分にはいつだってちょっとだけ価値がある」と思えるようになれば占めたものではないか?

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1405ad.PNG いまどきアフィリエイトに幻想を持っている人もいないかもしれないけど、いかに厳しいかの実例というか、私のCGIサイトの5月の収益グラフを出してみる。
 5月全体で50万回以上広告を表示してあがりは約2千円(暫定)。いやぁ...。
 日別グラフは青がインプレッション(表示回数)で、緑が収益です。5日と6日が極端に落ち込んでいるのは、バナー表示があまりに遅いために自ら大半の広告を切ったからで(重かったのはたぶん広告サーバの不具合かなんかだった)、人為的な原因です。28日の落ち込みは広告会社側で表示する広告が無くなったようで、広告会社自身の広告が表示されていました。それは当然表示カウントとして有効ではないようです。
 私が利用している広告プログラムは表示とクリックの両方で収益になるというたてまえなのですが、5月は、表示のレートは500回表示で1円くらい(但しスマホ用広告は幾分これよりわりがいい)。クリックはまちまちなのだけど1クリック5円~10円くらいのレートが多いと思います。
 クリック率が低めですが、ググると同じプログラム利用者でも0.02%とか平気でいるみたいなので、他と比較してとんでもなく低いわけではありません。
 私はちゃんと(?)バナー広告を貼るようになってからあんまり期間が過ぎていないのでそう確かなことは言えないんだけど、以前と比べるとかなり広告料のレートが下がっているらしく、今後さらに下がるかもという流れらしい。Amazonなども今月からの紹介料引き下げを公式に発表している。Amazonは1年位前まではたいていなんでも紹介料5%位(販売価格の)だったような曖昧な記憶だけど、今は品目によっても2%~3%くらいが大半という感じで、フィギュアとかは0.5%(!)になったらしい。私はフィギュア1個の値段とかに詳しくないけど、たぶんかなりな惨状になると思われる。
 私のCGIサイトのクリック率はたぶんあがりようがないかもしれない。無機質過ぎて、なんかキャラクターとか貼ったとしても逆に奇異なだけだろうし。PVそのものは上のグラフからでも推測できるかもしれないけれど、一貫して漸増していることはいる。しかしほんとにゆっくりで急激な変化はとても望めそうもない。ほったらかしにできるってとこだけが強みかな。

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