一応「投影性同一視」の方を訳し直し終えた。思いのほか悪戦苦闘したがなんとかかんとか。Wikipediaの元記事は多少なりともましになっていたと思うし、文面自体が半分以上は刷新されている感じではあったが、根本的に新しいことが追記されてるわけでもそうはないので、訳し直すほどでもなかったような気もする。まあこれはこれ。
問題は致命的におかしいところのあった「スプリッティング」の方だ。現在の英文記事は以前におかしかったところはそこそこ直されている感じではあるのだが。今度は冒頭の一般的定義やら最後の段落の変な位置のカンマまでなんとも別様に怪しくなっているわけだが・・・。
訳しながら、改めてメラニー・クラインの偉大さと繰り返される死別に彩られた彼女の不幸な個人史に、またフロイトを含める他の偉人たちのもがきぶりに思いを馳せないでもなかった。この分野は偉人だからといってある意味誰も正しくはない。あるいは正しいこととしてはそう近くはない未来まで誰も何もはっきりとは分かり得ない分野なのだと思う。
偉人たちはそれぞれが茫漠たる暗闇を思い思いに照らし出す細いライトのようなものだと思わないでもなかった。
コメントする