英語版Wikipediaの"Self-defeating personality disorder"項目の拙和訳です。日本語版Wikipediaへの該当リンクが(性的)マゾヒズムのページになっていたので訳してみました。
脚注、関連項目、参照、外部リンク等は省略しています。
自己敗北性人格障害自己敗北性人格障害(マゾヒスティック人格障害としても知られる)はひとつの提案されている人格障害である。それは、1987年に改訂されたマニュアルの第三篇 (DSM-III-R) の付録において議論されたのだが、『精神障害の診断と統計の手引き』(DSM)への公式の追加は許されなかった。代案として、「特定不能の人格障害」の診断が代わりに使われる可能性がある。いくらかの研究者や理論家は、この基準を使い続けている。公式のコード番号「301.90」を持っている。
1診断
1.1DSM III-R案
1.2DSM-IV からの除外
1.3ミロンのサブタイプ
2関連項目
3参照
4外部リンク
診断
DSM III-R案
自己敗北性人格障害とは、A)成人早期までに始まり多様な背景において存在する、しみついた自滅的言動のパターンである。この種の人物はしばしば、快楽的な経験を避けまたは台無しにしたりし、彼あるいは彼女が苦しむであろう刺激や関係に惹きつけられ、他者が彼(ら)を助けようとするのを妨げようとし、下記のうち少なくとも5個に対する一致を必要とする。
1.よりよい選択肢が明らかに利用できる時ですら、失望、失敗、過誤を導く人や状況を選んでしまう。
2.彼あるいは彼女を助けようとする他者の試みを拒絶するか無効化する。
3.肯定的な個人的出来事(例:新しい達成)のあとに、抑鬱や罪悪感、痛みを作り出すふるまい(例:事故)で反応する。
4.他者から怒りや拒絶の反応を誘発し、そしてそれによって傷つき打ち負かされ恥辱を受けたと感じる(例:配偶者を公の場でからかい、怒りの逆襲を招いて、そうして打ちのめされる)。
5.(充分な社交術や楽しむ能力があるにもかかわらず)享楽の機会を拒絶するか、楽しんでいるということを認めたがらない。
6.実証された能力があるにもかかわらず、個人的な目標のための重要な仕事を達成することに失敗する(例:学友のレポートを手助けするのに、自分のレポートは書けない)。
7.彼あるいは彼女を一貫して大事にしてくれる人に関心を示さないか拒絶する(例:思いやりのある性的パートナーに魅力を感じない)。
8.目的となる受け手によって頼まれてもいない、過剰な自己犠牲に従事する。B)Aに列挙された振る舞いは、もっぱら肉体的・性的・心理的な虐待への反応または予測において起きるものではない。
C)Aに列挙された振る舞いは、その人が抑鬱になっているときだけに起きるものではない。
DSM-IV からの除外
歴史的に、マゾヒズムは女性的服従に関連付けられてきた。たいていは男性を原因とすると考えられる家庭内暴力に関連付けられるとき、この障害は政治的に賛否両論を呼ぶものとなった。しかしながら多くの研究がこの障害が珍しいものではないと指摘している。1994年のDSM-IV から除外されたにもかかわらず、人間の行動の非常に多くの側面を説明するひとつの構成概念として、治療者間で広範囲の流通を謳歌し続けている。
『社会的、職業的、その他重要な領域の職務に関する、臨床的に有意な苦悩や障害を原因とした』性的マゾヒズムについては依然DSM-IVの中に存在する。
ミロンのサブタイプ
テオドール・ミロンはマゾヒストの四つのサブタイプを識別した。個別のマゾヒストは誰も以下の中でゼロあるいはひとつを顕示する可能性がある。
サブタイプ 種類 人格的特徴 高潔型 演技的性質等 誇り高き無私の、自己否定の、そして自己犠牲的な;苦行的な;高貴で高潔で聖なるものと判断される重荷;他人が忠誠や忠実を認めるに違いない;感謝や好意は利他や自制に対して期待される。 独占型 反抗的性質等 用心深く、過剰防衛的で、不可欠的になることで魅了し誘惑する;罠にかけ、コントロールし、征服し、隷属させ、またある過ちの犠牲になることで他人を支配する。 滅私型 回避的性質等 『成功による破綻』;『敗北を通しての勝利』を経験する;個人的な不幸、失敗、屈辱、試練によって満足を得る;最善の利益を避ける;犠牲化され壊滅され不名誉を受けることを選ぶ。 被虐型 抑鬱的性質等 真正の悲惨、絶望、苦難、苦悩、苦痛、病気を経験する;嘆きは他人の中にもっぱら罪悪感を作り出す;責任や、重荷を負わせる『迫害者』から免れることよって噴き出す怒り。
関連項目
(省略)
参照
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外部リンク
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