ブルーバックスの『ロジックの世界』を読んでた(イラストだらけなので半分については「見た」かも)のだがちょっと感動した感。ゲーデル以降の事情も素人向けに書いてあってそれもかなりよかった。たとえば、直観主義のブラウワーなど排中律そのものを否定していて、¬¬p≠p(¬は否定の意味でふたつあるので二重否定なのだが、つまりブラウワーは二重否定が肯定に戻ることを認めない!)。排中律は背理法の根幹でもあるので背理法も認めないことになる。また、ファジーロジックという白黒つけない論理学も登場したりして(それは論理学の自己否定ではないのか)すばらしい。やはり現代論理学はロジックそのものの無根拠性を巡って右往左往しているのだとわかり、そのことがかなり嬉しい感じだった。
論理学者が感覚や経験や観察や妥当性に再帰せざるを得ない様はそれとして誠実なものだ。
しかし、もちろん、ハードな根拠はなくとも実用に堪えるのだから、あるいは文明をすら築いてきたのだから、「論理」はこれからも「有用」であり続けるに違いない。しかし論理的であることは絶対ではない。
ただ私の長年の疑問である『ゲーデルの不完全性定理をそれ自体に適用するとどうなるのか?』に対する答えの糸口はなかった。入門書なのだから当たり前か。まぁ、仮にすで答えがあるとしても理解できないおそれがあるけども。
無矛盾≠完全
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