Bivi二条では23日に公開終了予定ということで、今日午前になんとかかんとか映画『沈黙』を観に行ってきた。
ネット上で賛否あるみたいだけど、スコセッシがラストシーンで棄教したはずのロドリゴの棺桶に十字架をしのばせたのは、個人的には分かりやすくて悪くないと思っている。広げた大風呂敷にしてはこぢんまりし過ぎているが、この度を超えた物語は収めようがないので、あれでも仕方ない。日本上陸間もないロドリゴらが切支丹村民の告解を日本語で聞く場面(話し手の片桐はいりが長崎弁に移行する)は原作にも同様の破綻があったと思うが、立ち入って文化衝突を描こうとした場合不可避的な面もあると思う。逆に言えば、現実には言語の違いがその種の激突の全面展開を緩和させているかもしれない。日本人のキリスト教がどこか異質である原因が、日本語(に宿る思想性)の壁によってその深部への侵入が防がれているから、とも言えるかどうか。
いびきのような音声に笑うがその正体を知らされ戦慄するクライマックスシーンも微妙に改変されていたと思う(元々無理があるわけだけど)。
日本人や日本文化の描き方についても微妙な面があったように思うが、相対的にはましな方かもしれない。
遠藤が『沈黙』で扱った主題は彼(誰でも)の能力を超えたあまりに大きく難しい問題なのであり、それ故原作段階ですでに破綻が多いわけだが、遠藤およびスコセッシの「蛮勇」に(改めて)賞賛を送りたいと思った。
★★★☆☆
やっと映画観てきた
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